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2009年4月28日 (火)

彩雲国物語~黄粱の夢~

 2009年5月のビーンズ文庫新刊の雪乃紗衣さん著「彩雲国物語~黄粱の夢~」は短編集です。
 以下、煩悩爆裂のネタバレ感想ですので、未読の方はご注意ください。

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 以下、簡単なあらすじと感想。

 【鈴蘭の咲く頃に】

 清苑と劉輝が出会い、清苑と楸瑛が出会い、清苑が祖父の謀反(と、表面上は思われているもの)のために母と共に茶州に配流され、そこで母が殺され、清苑が奈落に落ちるまでの物語。

 そうでした。清苑の母は後宮に入って公子を産むことよりも小さな幸せを望んだ女性でした。それにしても!劉輝の母を表す“傲岸な美少女”という言葉には、思わず「それって清苑のお母さんじゃないの?!」と本に向かって突っ込んでしまいました。(^^;)

 清苑と劉輝の出会いのシーン。涙と鼻水と泥でぐちゃぐちゃな顔は、とっても劉輝のイメージ。顔を上げ続ける体力・気力がなく、顔面から地面に激突するのも彼らしい。

 そして、何より「さびしい」という劉輝の言葉をすんなり受け入れて抱き上げる清苑。周りに人がいるのに、思わず目頭が熱くなってしまいました。
 「彩雲国物語」は周囲に人がいるときに読むのは、涙する可能性があるので注意が必要なのですが、でも、一刻も早く読みたい気持ちが勝ってしまって、どうすることもできません。ああ、アブナイ危ない。

 戩華王のことを“怖いおじちゃん”呼ばわりする劉輝が実は最強かも?

 しかし、楸瑛、常春頭の楸瑛くんは、珠翠にフラレ続けた結果だと思っていたら、少年時代から女の子チャチャチャだったのですね~。清苑との出会いで清苑を女性と間違えたとは…。それは、静蘭にネチネチいろいろいぢめられても仕方がないのではないかな、楸瑛。
 雪那さんに清苑のダメダメぶりを立て板に水で説明されると、何だかちょっとムッとしてしまいます。これが燕青とか黎深が言うのだったら、そんなことないのでしょうけど。どうしてかなぁ。

 旺季さんと戩華を出し抜き、縹家を利用して清苑を嵌めて、祖父の謀反を仕立てたのは、清苑の実母、鈴蘭の君だったとは、予想外の展開でした。
 その理由が、戩華さんの治世、国のために最も邪魔だったのが清苑だったから。その清苑を見事に片付けて、戩華さんに自分だけを見詰めてほしかった、見詰めてくれる時間がほしかったから。壮絶、凄絶な愛情表現。
 清苑は、そんな母の本質を見抜けず、最後まで知らず、静蘭となっても夢にも思っていないのは、ある意味、人を知らない?でも、知らないほうがいいのかもしれないな。
 劉輝のお母さんを自殺に追いやったのも清苑のお母さんで、それも、清苑の仕業に見せかけて清苑を追い詰めるためとは。そこまでやりますか。それが成功しなくてよかった。成功して、劉輝が自分の母親を死に追いやったのが清苑だと思って苦しむ姿は考えたくもないですから。

 戩華さんの死の真相もこの物語で知ることができました。戩華が清苑を流罪にした訳は清苑が“子供”だから。戩華の子だから。そうですよね?戩華さん。

 

 【空の青、風の呼ぶ声】

 殺刃賊の頭領晁蓋、副頭領瞑祥、軍師であるNO.3の知多星。

 燕青と鴛旬の出会い。殺刃賊の中で奈落に落ち続ける清苑と燕青の出会い。清苑は燕青と出会うことで奈落から抜け出て青い空の下で生きられるかと夢見る。

 殺刃賊の最後の日。清苑は知多星が殺刃賊に殺されたはずの燕青の次兄・浪叔斉であることを知る。

 梁山を陥落させるため、燕青と清苑はお互いの背中を預けあう。そして、燕青は梁山の頂にいる晁蓋の元へ。清苑は山の下の関塞へ向かう。そこで、奈落に落 ち続けていたときに生きるために殺めてしまった農民の子に刃を向けられる清苑。晁蓋を殺す目的を果たして清苑のもとへ戻った燕青は、そこで瀕死の清苑を見 つける。
 清苑は手当をする医薬品があると偽って、燕青を叔斉のいる場所へ行かせる。叔斉と出会い、何を語らずとも全てを察する燕青。燕青を生かせるために、奈落に落ち続ける道を選んだ叔斉。

 清苑は燕青から離れ、そこで邵可さん、薔君奥方、秀麗に出会う。(正確には拾いに来た邵可さんに拾われる)

 そして、叔斉と燕青はもう2度と会わないことを叔斉への罰として、叔斉は生涯を文官として茶州の復興に努めることになった。

 贖罪するには、あまりにも多くの人々の命を奪った叔斉と清苑。それでも2人とも生きている。奈落に落ちても
自分以外の人のために、その人に再び会うために行き続けた2人。この2人が行き続ける未来、2人は何を為すかその生き様が問われ続けるのだろう。重い。けれども2人は奈落でそれだけのことを行ってしまったのだから。

 以上、あらすじ以外の何ものでもありません。ありませんが、客観的に語れるのはこれだけで、これ以上、何を、どう語ればいいのか言葉が見つかりません。何を書いても、どこか違っていってしまう気がするのです。

 

【千一夜】

 邵可さんと薔薇姫の出会い、邵可さんと珠翠の出会い。そして薔薇姫と出会った邵可さんが何を選んだか。

 薔薇姫と邵可さんのラブストーリー。

 若き日の邵可さんにもラブストーリーがありました。それも一目で恋に落ちるほどの。死ぬほど考えた邵可さんの決断。
 それは、薔薇姫でなくとも心を揺すぶられます。

 それにしても、薔薇姫が縹家に囚われていたのは100年なのですね。てっきり短くても300年は囚われの身になっていたのだと思っていました。パパ璃桜のお父さんが薔薇姫を捕えたのだとは意外。
 ますます瑠花さんが何考えているのか分からなくなりましたし…。

 藍仙の予言を藍仙の言葉として読みたい!

   

【千一夜のそのあとに】

 邵可さんの大切な大切な大切なもの。



 いや~、秀麗と劉輝はちっこい秀麗とモチ劉輝しか出てこなかった。ここまで徹底して踏ん切りをつけるといっそ心地よいですね。

 

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