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2008年2月28日 (木)

丕緒の鳥(yomyom6号掲載)

 2月27日、新潮社のyomyom(ヨムヨム)6号を購入すべく本屋さんへ向うと、平積みされた約20冊のyomyom6号が目に飛び込んできました。結果論からすると予約の必要はなかったようです。それにしても、ものすごいショッキングピンク。どなたの趣味なのでしょうか。

 

 以下、思いっきりネタバレの感想ですので、お読みになられるかどうかご注意ください。

 

 慶国に立った偽王・舒栄が討たれる頃から物語は始まる。主人公は慶国の羅氏である丕緒。今回、“丕緒”とは主人公の名前だったのですね。
 丕緒の職責である羅氏とは、祭礼に際し執り行われる儀式である射儀で的となる陶鵲を誂える職務のことであり、丕緒は羅氏中の羅氏と呼ばれている。

 丕緒は羅氏になった当初は王に喜ばれる華やかな陶鵲作りに余念がなかった。しかし、無能な女王が3代続く中、荒廃して行く国を憂えて荒廃する地とそこに暮らす民のことが、王の心に届くことを念じて陶鵲を作るようになった。けれどもそれは王には届かなかった。
 そして共に陶鵲作りに邁進していた蕭蘭が予王の時代の末期に女性だということだけでその行方が分からなくなってからは陶鵲作りを放棄してしまっていた。その丕緒に陽子の即位に際しての謝儀の陶鵲作りの命が下った。

 自らの中が空洞になっていることに気づく丕緒。蕭蘭が何を見て何を考えていたのか、見ているようで知っているようで、全く見ていなかったこと知らなかったことに気づく丕緒。

 丕緒は蕭蘭の弟子の青江と共に自らが望み、蕭蘭も作りたかった陶鵲を作った。それは陶鵲が射られるとその中から更に鳥が飛び、そして音もなく地に舞い降りる陶鵲。その音は雪の音。

 荒廃を憂えいつか花びらの舞う豊かな地を望み、王に荒廃を胸に刻んで豊かな国を作って欲しいという丕緒のメッセージはついに新たな慶王・陽子の胸に届いた。
 射儀を通しての丕緒と陽子の声なき語らい。

 切ない物語。ページにすると約50ページ。短編といっていい長さ。けれどもそこには重いストーリーがあって読み応えたっぷり、ページ数にすると考えられないくらいの時間をかけてこの物語を読みました。多くの人の人生が願いが盛り込まれたストーリー。

 慶の話ということで、てっきり陽子または陽子の周囲にいる人々を主人公にした外伝だとばかり思っていました。それが陽子が入る前の蕘天の国官(かなり下級官ですが)が主人公の、つまり陽子を迎え入れる側から見た陽子の即位の物語ですね。

 十二国記、やはり好きです。新作を読んだせいでまた十二国記熱がぶり返してきました。小野不由美さん、これをきっかけにまた十二国記シリーズを書いてくださらないでしょうか。次はぜひ!楽俊メインで!「黄昏の岸 暁の天」の頃の楽俊視点の物語など読んでみたいです。あとは鈴と祥瓊を中心にした一連の人物たちのとある1日とか。(笑) 「帰山」の中で少しだけ語られた利広と尚隆の出会いの物語とか、利広と尚隆の本来あるべき姿での出会い(「黄昏の岸 暁の天」で会ってますよね、尚隆が延王として奏を訪ねてますから)も読んでみたいです。こうすると結構自分の中で読みたいストーリーがあるものですね。

 十二国記シリーズ、いつか新刊が出る日を願ってやみません。

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